私の街で私ができる事 -mirai379-

  1. 「大人のための絵本会」代表
    古村 一味さん
  2. みつおずっと子どもがいるまちプロジェクト 産業部会長・ 有限責任事業組合machi-mori(マチモリ)代表
    長畠 麻欣子さん
  3. 発信キッチン 店主・EEne(え〜ね) 代表
    増野 睦子さん

私にとって絵本とは「しあわせのかけはし」

絵本は子どもと大人を幸せにするひとつのきっかけ

「幼い頃に絵本を読んでもらった記憶はありますか?絵本を読む事は幸せの連鎖だと思うのです」。優しくも力強い声が魅力的な「大人のための絵本会」代表の古村さん。

古村さんは広島県呉市出身。自身の娘の中学進学を機に夫の故郷、下松市に転居した。 きっかけは当時娘が通っていた呉市の宝徳寺の幼稚園。 そこで小林いづみさん(子どもと本を結ぶ安芸灘ネットワーク代表・安田女子大学非常勤講師)に絵本の魅力や絵本の読み聞かせ方などを教わった。その出会いから自身の娘と幼稚園で絵本を読み始めた。

呉の小学校では絵本会の代表と図書館ボランティアとして子ども達を様々な面でサポート。現在でいう、コミュニティースクールのような活動を行っていた。下松に引っ越してからは下松図書館の『語り・絵本の研究会』での活動や下松小・中学校で絵本会を担当、また「私にも絵本を読んで欲しいな」という友人の一言がきっかけで2012年に「大人のための絵本会」を設立した。

大人も子どもも自己肯定感を 感じる事が大切

 絵本というと子どもが読むものというイメージを持ってしまいがちなのだが、古村さんはあえて大人に対して絵本を読む活動もしている。

 「大人になって絵本を読んでもらう機会ってまずないですよね。でも読んでいると心が穏かになって笑顔になったり。幼い頃に読んでもらったな、と遠い記憶に想いを馳せたり。 聞いてくれている方が時には涙を流したり。自分を受け入れてもらう場、話せる時間が大人にも必要だと感じるようになりました」。

 「大人のための絵本会」は下松市では果子乃季で年に4回開催している。また徳山駅前図書館での依頼で毎月最終金曜日に『大人の絵本の時間』を開催。 毎回すぐに募集人数に達してしまう程の人気だ。

 古村さんは民生委員をはじめ、下松市保健推進員・下松中学校学校運営協議会委員・妊婦さん、親子のための絵本会『めばえってぃの会』代表などを務めている。  絵本の選書で気を付けている事は、自身が好きな絵本、自身が読みやすい絵本、現代絵本と昔話をバランスよく読むようにしている。また、ハッピーエンドの物語を読むようにしている。 「絵本は人を幸せにするひとつのきっかけ。大人が幸せなら子どもにもゆとりをもって接することができる。今後は現在の活動を長く継続したい」と話す古村さん。

 母親のおなかにいる時から大人になっても様々な方面でサポートする古村さんは、まさに「幸せの連鎖を生み出す母」といえる存在だ。

下松中学校の昼休みに開催している絵本会。※自由参加 毎月古村さん手作りのウェルカムボードが生徒たちを温かく迎える。
絵本会の前に手遊び♪生徒たちの笑顔がはじける。
今回は「ながぐつをはいたねこ」生徒たちは真剣に耳を傾けていた。
オススメの絵本。何度も何度も読んだ古村さん親子が大好きな思い出の絵本。

まちづくりは宝探し ずっと子どものいるまちへ

 夏の足音がもうすぐという午後、窓の外で軽やかな子どもの足音が聞こえる。「おかえり!」と声をかけるのは子ども達に「三丘のママ」と呼ばれる長畠麻欣子さん(52)。周南市出身。大阪の短大を卒業後、周南市のトクヤマに入社。結婚、出産後も仕事を続けていたが、子どもの病気治療などを契機に退職。しばらくはお母さん業に専念したという。

 転機は1年後にやってきた。ママ友達とのセルフランチ教室がきっかけで、地域の祭りに出店したことで、「色々なコミュニティがあり、互いに横の繋がりがあるのに気づきました」という長畠さん。

 地域唯一の三丘小の児童数が10年間で半減し、若い移住者らから不安の声が上がっていることを知った地域の有志により、子どもから高齢者までの全ての世代が、いつまでも元気で仲良く暮らせる地域にしようと、平成26年、『みつおずっと子どもがいるまちプロジェクト』が発足。産業部会長として、安心な食べ物での子育てや女性が地域と関わりながら気軽に働ける地域づくりの活動を続ける中で、長畠さんに「子どもや地域の人々、地域外からの人々が集える場所を作りたい」との気持ちが高まっていったという。

 平成30年、仲間とともに『有限責任事業組合machi-mori』を立ち上げ、同年8月、カフェ『タベルナタベタ?』をオープン。ランチ・弁当・予約制のディナーなど、地域外に出かけずとも、地域の人々が3世代で気軽に寄れる店になるとともに、空き家状況や子育て情報など移住者向けの情報コーナーを設けるなど、地域外の人々も集う場所となった。毎週土曜日にはカフェの和室が開放され、子どもが企画・運営・販売する『こどもだがしや』が開かれ、楽しそうな子どもの声が響く。また、地域コミュニティ全体の取り組みとして、小学生を対象にし、次世代の地域のリーダーを育成しようと『子どもまちづくり塾』も開講。7月には「こういう三丘にしたい」というプレゼン大会が予定されているという。

 「三丘に色々なコミュニティやお店ができ、移住農家も増えてきました。熊毛栗を使った商品開発も進めています。今後は地域の商工農の繋がりを深めるつなぎの役割をしていきたい」と話す長畠さんの見つめる未来には、いつまでも子ども達の声があふれる三丘の姿がある。

数量限定の玉手箱ランチ(ドリンク・デザートセットで1,350円)。 „蓋を開けたら若返り”をテーマに地産の野菜をふんだんに使用。
アプリを使用し、グループで分かれてまち歩き。ゲームやクイズを作り、三丘のまちを知る取り組みも。
毎週土曜日の15時に開店する、こどもだがしや。小2~小6の児童が参加。

女性が輝く場所に 光市から世界に笑顔を発信

 木枠の大きな窓から臨む、初夏の日差しに輝く豊かな緑が映える。平日のランチ時には女性グループが、土日は子どものスポーツ応援に来たのであろうママさんグループや家族連れで賑わうカフェ、『発信キッチン』。運営するのは、光市の主婦たちのグループ「EEne 〟え~ね”」のメンバーたち。代表の増野睦子さん(48)は千葉県出身。高校時代は演劇部に所属し、卒業後は青年座の研究生として入団した。退団後はフリーで役者活動を続け、客演した劇団員であった夫と知り合い結婚。

 2人目の子どもの妊娠を契機に、10年前に夫の出身地である光市に移住。「子育てをしつつも、演劇をしていたエネルギーが余っていました」。自宅の土間で年4回のハンドメイドイベントを開き、大反響を受けた。「まだ光っていないものを見つけたり、作ったりして人々に発信していきたい」という気持ちが強くなり、主婦仲間らと「EEne 〟え~ね”」を設立。子どもの反応をみながら試行錯誤した「米のおっぱい」が誕生した。メディア取材なども受け、販売場所も徐々に増えてきたが、更に「地元の女性だからこそわかるものに価値をつけ、発信する自分たちの場所が欲しい」と思うようになったという。  

 場所を探す中で出会ったのが、光スポーツ公園の遊休施設。「窓辺でお茶を飲んでいる女性のイメージがパッとわきました」と増野さん。平成27年1月、女性達が見つけた美味しいもの、素敵なもの、素晴らしいと思う情報を発信する基地という意味で名付けられた『発信キッチン』がオープン。「家族に食べてもらいたいごはん」がコンセプトのランチは無農薬の地元野菜や県産野菜、光産の米、味噌は光市の主婦グループが作ったものを使用するなど、地元愛に溢れている。  

 昨年から、毎週金曜日に『フライデーマーケット』を開き、自家製塩麹で作る定番人気の鶏唐揚げをはじめとする総菜や地元農家の野菜や卵、増野さんのもはやライフワークとなってるパコーン(パンのようなスコーン)の販売、ワークショップなど、多くの人が毎週訪れるホットスポットとなってる。「各テーブルにある〟発信メモ”に書かれたお客様の要望も、できることは全て取り入れます」。今後も活動を継続しつつ、パコーンの加工場を作り商品化をしていきたいと柔らかな笑顔で話してくれた。

増野さんが全精力を注ぎ込む„現在進化中”のパコーン。
米のおっぱい。豆乳が加わりよりまろやかに。
替わりの季節のランチ(飲み物・プチデザート付1,580円)。この他、自家製塩麹の鶏唐揚げランチ、ドライカレーランチ、パスタやベーグルランチも。

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