2千匹が生命の神秘見せる 室積でクサフグ集団産卵 ウイルス対策で一般見学は自粛要請

クサフグの集団産卵で県の天然記念物に指定されている光市室積の鼓ケ浦海岸に、3日午後4時半ごろから満ち潮に乗ってクサフグ約2千匹が訪れ、波打ち際で産卵して生命の神秘さを見せた。
トラフグはフグの中でも最も小型で、成魚でも体長は約15㌢。毒性が強い。同海岸は1969年に「光のクサフグ産卵地」として県の天然記念物に指定されている。
産卵予想の日時は潮の干満から市教委が予想し、市広報や報道機関を通じて毎年公表。市教委職員や記者のほか50人前後の見学者が訪れていたが、今年は新型コロナウイルス感染防止のため市教委は予想日時の公表を見送り、報道機関にも事前の予告記事を掲載しないよう要請した。
このためこの日、同海岸を訪れたのは市教委職員と報道各社の記者ら計15人にとどまった。市教委は同海岸に向かう道沿いに観察の自粛を求める看板を立てて理解を求めた。
予想時刻になると同海岸から少し離れた岩場の波打ち際に、満ち潮に乗ってメスが現れて、小石の間に体を震わせながら産卵し、これにオスが精子を放って受精。海面は精液で白く濁ってしぶきを上げていた。産卵場所には時折、カニも姿を現していた。
産卵は日没前で終わって満潮とともにクサフグの群れは海中に消えた。小石に産みつけられた卵は磯波で洗い流され、波打ち際の砂利の中で数日後にふ化し、大潮に乗って沖へ泳いでいくという。
市教委によると昨年は産卵初日の5月31日に5匹、6月1日に75匹と低調だったが、今年は2千匹と好調。市教委文化・社会教育課文化振興係の河原剛主査(43)は「水温が21・5度と産卵に適し、波も穏やかだったのが好条件につながったのではないか」と分析していた。

激しいしぶきを上げるクサフグ

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