笠木絵津子「私の知らない母」 14~23日・林賞受賞記念写真展 時空を超え、重なる人生

「1953年、兵庫県尼崎市元浜町2の89の引揚げ者の寮にて、私を抱く母と母を抱く私」

昨年、第29回林忠彦賞を受賞した現代美術家、笠木絵津子さんの写真集「私の知らない母」の受賞記念展が14日(金)から23日(日)まで、周南市美術博物館で開かれる。
林忠彦は周南市出身の写真家。林忠彦賞は周南市と市文化振興財団が1991年に創設、現在は社会が求める、その時代を一番象徴する写真に贈られている。昨年は1昨年に発表された作品を対象にしている。
第29回の授賞作品は昨年2月に発表したが、新型コロナウイルスの影響で授賞式や作品展は延期。今年の4月16日から22日まで、東京展がようやく開催できた。
笠木さんは1952年に尼崎市で生まれて姫路市で育った。京都大学基礎物理学研究室の助手から27歳で写真家へ転向。最先端の映像芸術を学びたいと37歳でニューヨーク大学大学院に留学。帰国後は現代美術家として展覧会で作品を発表している。
「私の知らない母」は朝鮮錦城で生まれ、敗戦後に引き上げてきた母の大陸で過ごした前半生に朝鮮、台湾、満州で撮影された写真などと、現在の笠木さん自身の写真や、現地の写真などをコラージュした作品。時空を超えた作品を創り出し、2019年に写真集にまとめた。
記念展は午前9時半から午後5時まで、入館は無料。会期中は常設展も無料。17日(月)は休館。問い合わせは同館(0834・22・8880)へ。

「1941年、満州国哈爾濱市にて、17歳の母と松花江を望む」

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