故人をしのぶ「思い出観音」 ご遺体と一緒に炎に 大林さんが〝心の支えに〟と制作

「思いで観音」

周南市呼坂和那手で石庭窯萩焼陶心子工房を開いている大林杉夫さん(69)が、「思い出観音」を制作している。陶製の小さな観音様で、ご遺体を焼く際にお棺の中に入れ、遺骨と一緒に取り上げて身近に置いて故人をしのぶことができる。
この「思い出観音」は10年ほど前から構想し、高熱の中でも壊れることがない観音様を作り、自分の窯で焼いてみたり、機会があればお棺に入れてもらい、火葬の炎に焼かれても無事なことを確かめた。
高さ11・5㌢、奥行きは5㌢。合掌する姿で顔は描かれていない。土で丁寧につくって一度、焼成して焼しめてある。収納用に厨子(桐箱)も付いている。
これまで購入した人からは「主人の納骨が終わって急に寂しさがこみ上げてきたのですが、この観音様があることで救われています」▽「故郷を離れ、お墓参りもなかなかできなくて観音様を母と思って持ち帰り、心の支えとなっています」など、感謝の便りが届いている。
大林さんは20年ほど前から独学で陶芸を始めて獅子や龍などをモチーフした作品を作っているが、縁者が立て続けに亡くなったことから、何か心が救われるものがあれば、と思い立って作り始めた。
「大事な人の遺体が火によってなくなる、その火の中に残る観音様。故人の生まれ変わりとも思え、心のよりどころになるのでは」と話している。
購入などの問い合わせは呼坂155―6の同工房(0833・91・2552)へ。

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