《西京教育文化振興財団・助成団体活動紹介》観客と一体になる紙芝居 山口子どもの文化研究会

向谷さん(右端)と会員

周南市須々万本郷の山口子どもの文化研究会(向谷静波代表)は、子どもたちに教育文化の大切さを伝え、真の芸術文化に出会う手伝いをする事を目的として1993年に設立。主にオリジナルの紙芝居の製作と上演に取り組んでいる。
紙芝居は拍子木の合図とともに始まる。演者が木製の専用舞台で絵を1枚1枚抜きながら場面を変え、紙の裏側に書かれたあらすじとセリフを読み、文字通り芝居を演じるもの。向谷さん(62)は紙芝居の魅力を「情感を込めた語りで生まれる観客との一体感」と話す。
24人の会員の中には元アナウンサーが数人いて、定例会では演じるための発声法、読み方を学ぶ。現在は保育園、幼稚園、小中学校への出前授業のほか、イベントや高齢者施設など毎月10回以上の上演を続けている。
2001年から作り始めたオリジナルの作品は約50を数える。地域の古老から聞き取りをした昔話や伝説、戦前の徳山大空襲、萩焼や大内塗などの山口県の伝統工芸、吉田松陰の妹の文など幕末の人物と、内容は幅広い。脚本は2015年に亡くなった初代代表で向谷さんの母喜久江さんが、そのほとんどを手掛けた。
「へそまがり銭平」は鹿野に伝わる昔話で、節分の豆まきで「鬼は内」と唱えた銭平という男の話。家に本当に鬼が入ってきて酒で接待した銭平は、自分が死んだあと地獄で鬼に再会し今度はもてなしを受けるという落語のようなあらすじだ。
徳山大空襲を基にした「とけたビー玉」「人間魚雷回天」「平和と見守る徳山大仏」の三部作は、戦争の悲惨さと平和の大切さを今に伝える。
向谷さんは「今後は、広い会場や高齢者施設でも一層楽しんでもらえるよう、プロジェクターやスクリーンを使って絵を大きく見せて迫力ある上演もしていきたい」と話している。

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